暗号資産強気派に8億6000万ドルの清算──ETH、BTC、XRP、DOGEが最大9%下落 | CoinDesk JAPAN（コインデスク・ジャパン）

• 予想外のインフレデータを受けて、レバレッジをかけたポジションが10億ドル以上清算された。
• ビットコインは12万3500ドルを超える過去最高値を記録したが、急激な売り圧力により8億6600万ドルのロングポジションが消滅した。
• トレーダーたちは、今後の市場動向を判断するため、アメリカ経済指標とFRBの動向を注視している。

暗号資産（仮想通貨）市場で、過去24時間に10億ドル（約1500億円、1ドル=150円換算）以上のレバレッジポジションが消失した。これは予想を上回るアメリカの生産者物価指数（PPI）のデータがインフレ懸念を煽り、アメリカ連邦準備制度理事会（FRB）の利下げ期待が先送りされたことが要因だ。

この売りは、ビットコイン（BTC）が12万3500ドルを超える史上最高値を更新してから数時間後に発生し、トレーダーは全面的にリスクを解消しようとした。主要なミームコインであるドージコイン（DOGE）は9%下落し、主要暗号通貨の中で下落率トップとなった。ソラナ（SOL）、エックス・アール・ピー（XRP）、バイナンスコイン（BNB）は3～7%下落した。

データによると、価格が直近の高値から急落したため、ロングポジションの8億6600万ドル（約1299億円）が清算された。これはショートポジションの1億4000万ドル（約210億円）の6倍以上だ。

イーサリアム（ETH）のトレーダーは3億4890万ドル（約523億3500万円）の清算で、最も大きな打撃を受けた。次いでビットコインが1億7710万ドル（約265億6500万円）の清算となった。ソラナ、XRP、ドージコインの清算額はそれぞれ6420万ドル（約96億3000万円）、5880万ドル（約88億2000万円）、3580万ドル（約53億7000万円）だった。

取引所別ではバイビット（Bybit）は4億2190万ドル（約632億8500万円）の損失で最大のシェアを占め、その損失の92%以上は過剰なレバレッジのロングポジションに起因している。これに続き、バイナンス（Binance）が2億4990万ドル（約374億8500万円）、OKXは1億2510万ドル（約187億6500万円）の清算となった。

単一で最大の清算は、OKXにおける625万ドル（約9億3750万円）相当のETH-USDT永久スワップだった。

暗号資産取引所BTSEのCOO、ジェフ・メイ（Jeff Mei）氏は、インフレのサプライズが「先週の驚異的な暗号資産価格の上昇にブレーキをかけた」と述べ、市場は「FRBからより前向きなガイダンスが出るまで、現在の水準で推移する可能性が高い」と付け加えた。彼は「インフレの脅威は依然として存在し、9月の利下げの可能性に影響を与える可能性がある」と指摘した。

LVRGリサーチ（LVRG Research）のディレクター、ニック・ラック（Nick Luck）氏は、暗号資産の最近の上昇に対するマクロ経済の圧力を指摘した。

「今週の暗号資産市場では、BTCが史上最高値を更新したものの、その後、マクロ経済の揺れの影響を受けた」と同氏はテレグラムのメッセージで述べた。「インフレ率は予想をはるかに上回る急上昇を見せ、インフレの硬直化への懸念を強め、FRBの利下げ期待を先送りした」。

「この売り圧力は、暗号資産がマクロ経済の流動性の変化にますます敏感になっていることを裏付けている。トレーダーは現在、FRBの次の動きの手がかりを求めて、9月上旬の雇用統計に注目している。暗号資産の強気相場を牽引してきたファンダメンタルズが維持されているため、市場は回復すると楽観視している」とラック氏は付け加えた。

トレーダーは現在、アメリカの経済指標の発表とFRBのコメントを注視しており、9月は金融政策の次の大きな転換点となる見込みだ。

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