ビットコインのドミナンスが低下、アルトコインの季節が9月に始まる可能性：コインベース | CoinDesk JAPAN（コインデスク・ジャパン）

• コインベース・インスティテューショナルの最新の調査報告書は「アルトコインの季節」が9月に始まる可能性があると指摘し、3つの主要な市場動向を理由として挙げている。
• 報告によると、ビットコインのドミナンス低下と流動性向上により、アルトコインのパフォーマンスが向上するという。
• また、投資家のリスク許容度の回復が、上昇トレンドを年末まで延長する可能性がある。

コインベース・インスティテューショナル（Coinbase Institutional）の最新の月次見通しによると「アルトコインの季節」は数週間後に始まる可能性があるという。この見通しでは、9月以降、市場の主導権がビットコイン（BTC）からアルトコインへと移行すると予測している。

アルトコインの季節とは、ビットコイン以外の暗号資産が、一定期間にわたりBTCを大幅に上回る上昇率を記録する市場局面を指す。特に、イーサリアム（ETH）、ソラナ（SOL）などの大型トークンが主導することが多い。

コインベース・インスティテューショナルのグローバルリサーチ責任者であるデビッド・ドゥオン（David Duong）氏が執筆した8月14日付の報告書では、ビットコインの市場ドミナンスの低下、流動性の向上、そして高ベータ資産への投資家の回帰意欲の高まりという3つの主な要因を挙げている。ドゥオン氏はこれを、市場の信頼感が高まるにつれて資本がリスクカーブを下方に移動するという循環的な移行だと説明している。

ビットコインの市場ドミナンス（暗号資産市場全体の時価総額に占める割合）は、今年初めにピークを迎えた後、低下の兆候を見せている。コインベースは、この指標が低下すると、歴史的に見て資金は大型アルトコインに流入し、その後、中小型コインへと流れていくと主張している。このローテーション効果は9月にさらに顕著になると同社は見ている。

流動性トレンドもアルトコインにとって有利に転じている。コインベースは、主要取引所における売買スプレッドの縮小と注文板の厚みにより、トレーダーは大きなスリッページを被ることなくアルトコインのポジションを売買しやすくなっていると指摘している。流動性の向上は、取引量の少ないトークンを避けていたであろう大手プレイヤーの参加を促すことが多い。

3つ目の要因はセンチメントだ。ドゥオン氏は、マクロ経済状況が安定し、ボラティリティが抑制されるにつれて、投資家はよりリスクの高い暗号資産でより高いリターンを求める可能性が高くなると述べている。この環境は、特にビットコイン価格が最高値を更新するのではなく、安定的に推移する場合、アルトコイン市場への持続的な資金流入を促す可能性がある。

コインベースは、どのトークンが市場を牽引するかを予測することは控えているが、過去の市場サイクルのパターン、すなわち優良アルトコインがまずアウトパフォームし、その後に中小型コインが続くというパターンを強調している。レポートでは、9月が上昇の始まりとなる可能性はあるものの、その期間と規模は市場とマクロ経済の両方の状況に依存すると警告している。

BTCは年初来で27.2%上昇しているが、ETH（+37.9%）やXRP（+49%）などの主要なアルトコインに後れを取っている。一方、SOL（+1.67%）、ADA（+8.96%）、DOGE（-27.5%）などは出遅れている。

コインベースは、市場全体の状況から、今後数カ月でアルトコインへのローテーションが拡大する可能性があると主張している。

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